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 浅野俊哉『スピノザ―共同性のポリティクス』(5)

「子供になること[devenir-enfant]」。このスローガンほど、日本の八○年代を席巻した〈ポスト構造主義〉的な言説のなかで、明示的にあるいは暗示的に掲げられ、称揚された立場もないのではないだろうか。……簡単に振り返ってみると、外見的な晦渋さにもかかわらず、ドゥルーズとガタリの戦略は明白だった。まず、私たちの欲望の総体を肯定すること。そしてその欲望のあり方を整序し再生産している秩序し再生産している秩序ないしメカニズムの内外に、それに回収されることのない多数・多様で他方向的な欲望の生産的な流れを対置し創り出すことによって、件のメカニズムを組み替え、場合によっては破壊すること。(p115)