コリアン関係

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(1)

北朝鮮へのエクソダス 「帰国事業」の影をたどる (朝日文庫) 作者: テッサ・モーリス・スズキ,田代泰子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2011/09/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (3件) を見る これは偶然の旅につ…

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(2)

歴史の片隅に置き去りにされ、忘れられていたこの問題を調べ始めて、わたしは今さらながら驚いた――日本に住む友人のなかに、帰国船で北朝鮮に移住した知人や親戚をもつ人がなんとたくさんいることだろう。帰国によって変わったのは九万三千三百四十人の″帰国…

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(3)

朝鮮の人たちは知る由もなかったが、天皇裕仁が敗戦を告げる放送をした五日前、はるかワシントンで、この人たちの国の戦後の命運について決定が下されていた。ソビエト連邦は、ナチス・ドイツとの死闘に全力を傾注して、太平洋戦争が始まって以来、日本との…

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(4)

この線は地図上でも、ワシントンとモスクワの会議室のなかでも、ひじょうに好都合だった。しかしあいにく、じっさいの地図上の上では、道や市の境界線、地域や文化や方言の区分、すべてについて不都合だった。なによりも、政治的“右”と″左”を分ける線と合致…

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(5)

一九五二年四月二十八日をもって、在日朝鮮人は、公営住宅入居の権利を含む主要な社会福祉をうける権利を失った。戦後の数十年間に日本の福祉制度が発達していくなかで、こうした排除の規定はますます強化され、そのためにますます厳しくなった。たとえば、…

テッサ・モーリス・スズキ『北朝鮮へのエクソダス』(6)

(一九五六年-注) 五月十八日、離日の一週間前、ウィリアム・ミシェルとヴジェーヌ・ド・ウェックは東京から空路福岡へ行き、そこから汽車で長崎へ、さらに先の小さな大村の港町まで出かけた。ここで入国者収容所を視察し、強制送還を待って抑留されている…

 趙景達『近代朝鮮と日本』

近代朝鮮と日本 (岩波新書)作者: 趙景達出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/11/21メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る朝鮮近代史研究における第一人者の趙景達さんの近著。近代における朝鮮半島の歴史は、大日本帝…

 三ツ井崇『朝鮮植民地支配と言語』

朝鮮植民地支配と言語作者: 三ツ井崇出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2010/12/20メディア: 単行本 クリック: 36回この商品を含むブログ (4件) を見る本書は、植民地期朝鮮における「言語的近代」の問題を、言語政策史と言語運動史の視点から考察した著作で…