ヴィルノ

 『ポストフォーディズムの資本主義』(5)

言語的動物の(自己)破壊衝動がつねに新たに国家的綜合を増強させ完成させる、という弁証法的図式を捨て去ろうとして、現代の批判哲学ーーチョムスキーからフランスのポスト構造主義までーーは、おのれの地平から弁証法とともに(自己)破壊衝動をも完全に削除…

 『ポストフォーディズムの資本主義』(4)

しかし現在の資本主義社会では、教育には終りがありません。それは通奏低音のように、生産活動のあらゆる段階に伴っています。むしろ、生産活動を補完しているのであり、労働はある程度まで再=教育だと言えるでしょう。社会学のアンケート調査からも知られる…

 『ポストフォーディズムの資本主義』(3)

さまざまな世界内経験においてつねに〈空虚〉の感覚が浮かび上がります。この「空虚」は、細部まで一貫した環境の不在に他なりません。したがって、いわゆる筆舌に尽くしがたい「精神的」なものではないのです。むしろ非常に生物学的な「空虚」です。空虚は…

 『ポストフォーディズムの資本主義』(2)

潜在的な動物、したがって未分化な動物、おそらくこれが「人間的自然」の定義です(大まかなものですが)。それは比喩的なものではなくまさに狭義の意味で、メタ歴史的な、生物学的な定義、「クロマニョン人以来」の不変項なのです。ともかく以上は、認知科学(…

 ヴィルノ.P『ポストフォーディズムの資本主義』(1)

ポストフォーディズムの資本主義―社会科学と「ヒューマン・ネイチャー」作者: パオロヴィルノ,Paolo Virno,柱本元彦出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2008/03メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 46回この商品を含むブログ (22件) を見る 生物学とポストフ…