科学史

平岡隆二『南蛮系宇宙論の原典的研究』

→http://hiraokaryuji.wix.com/nambankei 図書館から借りて読了しました。平岡さんの研究射程の広さと緻密な文献考証から積み上げていく研究手法に、読了した後に圧倒されるばかりでした。 また本書の主題は、「江戸時代」を通した、思想史的・宗教史とも密…

 隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」』(4)

第6章 1780年代における「エコノミー」研究主題群の展開より。 気球の問題からほどなくして、科学アカデミーは動物磁気説(magn〓tisme animal)と呼ばれていた理論の調査を通じて、擬似科学の問題とも関わることになる。それは今日でいう催眠術と電気、磁石…

 隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」』(3)

第4章 再定義される科学の「有用性」より。 これまでにも言及してきた十八世紀西洋世界における「有用」の概念はいわゆる実利主義よりも、むしろベンサム的な「功利主義」に近い倫理的な響きを伴っている。……すなわち、「有用」は単なる物質的な次元での「役…

 隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」』(2)

同。 商業・経済力競争という点について述べると、主要なライバルおよびモデルとして常に意識されたのは英国であった。ただし十八世紀中頃における英国の経済的インパクトは、今日知られる産業革命やそこで培われた工業技術力によるものではなく、同国を小麦…

 隠岐さや香『科学アカデミーと「有用な科学」』(1)

科学アカデミーと「有用な科学」 -フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ-作者: 隠岐さや香出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2011/03/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 86回この商品を含むブログ (22件) を見る第3章 「科学の共和国…