アガンベン.G『ホモ・サケル』(2)

 例外関係は、一つの締め出し関係である。実のところ、締め出された者は、単に法の外に置かれて法の外に置かれて法と無関係なものとされるのではない。彼は法によって締め出され遺棄されるのであり、生と法、外と内が混同されるこの境界線に露出され危険にさらされるのである。この者については文字どおり、秩序の外にいるのか内にいるのかを口にすることはできない。……この意味で、主権の逆説は「法の外はない」という形式を引き受けることができる。法と生とのあいだにもつ関連は、適用ではなく〈遺棄〉である。ノモスのもつ乗り越え不可能な潜勢力、ノモスの原初的な「法の力」とは、ノモスが生を遺棄することで生を締め出しの内に保つ、ということである。ここで理解しなければならないのはこの締め出しという構造であり、それによってこの構造をあらためて問いただすことができるのでなければならない。(p44-p45)