2013-01-13から1日間の記事一覧

 アガンベン.G『事物のしるし』(6)

第二章「しるしの理論」。 『ムネモシュネ』は、芸術家――あるいは学者――が、もし西洋の歴史的記憶の伝統のなかで問題にされてきた危険な作用を把握し実現したいのであれば、認識し操作することを学ばなければならない、そうしたしるしの図像集なのである。そ…

 アガンベン.G『事物のしるし』(5)

第一章「パラダイムとは何か」。 一九二四年から一九二九年にかけて、アビ・ヴァールブルクは『ムネモシュネ』と呼ばれることになる「図像集」に取り組んでいた。知られているように、そこで扱われていたのは複数のパネルの総体であり、パネルのうえには、一…

 アガンベン.G『事物のしるし』(4)

同。 流行(モード)もまた、しるしの特権的な領域である。まさしく流行においてこそ、しるしはその純粋に歴史的な性格を示す。というのも、そのつど認識されるべきアクチュアリティは、つねに時間的な参照と引用のたえまないネットワークを介して構成され、…

 アガンベン.G『事物のしるし』(3)

第二章「しるしの理論」。 しるしの理論は、十八世紀末に西洋の学問から消え去ってしまう以前、ルネサンスおよびバロックの時代の学問と呪術に決定的な影響を与えていた。この影響は、ヨハネス・ケプラーやゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツの著作…

 アガンベン.G『事物のしるし』(2)

同。 フーコーは『知の考古学』のはしがきと完全に一貫した仕方で、主体(科学共同体のメンバー)の観点にもとづいた通常科学の構成を可能にする基準から、主体へのいかなる準拠もない「言表の全体」と「形象」(「言表の全体が浮き彫りにされ」「そのように…

 アガンベン.G『事物のしるし』(1)

事物のしるし 方法について作者: ジョルジョアガンベン,岡田温司,岡本源太出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/05/11メディア: 単行本 クリック: 48回この商品を含むブログ (9件) を見るSignatura rerum作者: Giorgio Agamben,Anton Schuetz出版社/メーカ…