オクサラ.J『フーコーをどう読むか』(1)
- 作者: ヨハンナ・オクサラ,Johanna Oksala,関修
- 出版社/メーカー: 新泉社
- 発売日: 2011/09/28
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- 作者: Johanna Oksala
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「第1章 哲学の自由」より。
フーコー哲学の行った批判の衝撃は、彼が公然と下した判断ではなく、私たちの文化を分析するのに採用したアプローチの仕方に原因がある。科学およびほとんどの哲学が、出来事と経験の混交の中から必然的で普遍的法則として分節しうるものを解読しようと目指すのに対し、フーコーの思想はまさに正反対の方向へと進んでいく。彼は、必然性の中に、より綿密な哲学的吟味のもとでは、偶然ではかなく恣意的であることが判明するものを見出だそうと企てたのだ。フーコーにとって、哲学の目標とは、私たちが考え、生き、他の人々と私たち自身へと関わり合う方法を問うことにほかならない。……このように哲学を理解することは、自由の空間=余地を切り拓く。それは、考え、知覚し、生きる新たな可能性を開示するのだ。私たちが当然のことと思い、必然であるとみなす事柄が実際は、偶然による人間の営為のネットワークからいかに生じてきたのかを示すことで、哲学は思考実験や根拠のない思弁を可能にするだけでなく、変化、すなわち、生き方、権力関係、同一性を変更することさえ具現化するのである。(p23-p24)