マラブー.C『わたしたちの脳をどうするか』(5)

わたしは辞書でPolymorpheという単語の正確な定義を調べてみました。するとこの語は単に受動的に形をなす性質を意味し、あらゆる仮面を被ることのできる海神プローテウスの本質的属性を指すものでした。リオタールはこの形容詞を不当に弁証法的主体に当てはめていると、わたしには思われました。……ところで、「自己」というものは、当然のことながら水や蝋でできているわけではありません……。それでわたしは、「多形的(ポリモルフ)」という語に類似していながら同時にまったく別なことを、攻撃的あるいは能動的なことを語りうる単語がへーゲルのなかに存在しないだろうかと自問しました。こうしてわたしは『精神現象学』のなかの「可塑的[plastique]」という形容詞の価値を発見したのです……。(p165-p166)