バウマン.Z『新しい貧困』(1)

新しい貧困 労働消費主義ニュープア

新しい貧困 労働消費主義ニュープア

私たちはみな「消費者」であることが何を意味するかを、多かれ少なかれ、よく知っている。消費者とは消費する人間のことであり、消費することはモノを使い果たすことを意味する。つまり、モノを食べたり、着たり、モノで遊んだり、そうでない場合は、モノで自分の欲求や欲望を満たそうとする。私たちの世界で欲望とそれを満たす行為を「媒介する」のはたいていの場合、お金なので、消費者であることは消費される運命にある大半のモノを専有することを(通常)意味する。つまり、モノを買ってその代価を支払い、自分の排他的な所有物とし、他の誰かが自分の許可なくそれを使用するのを妨げようとする。(p48)