キルケゴール.S『不安の概念』(4)

内面性・確信が真剣さである。これは些か見すぼらしく思われる。もしも私が、真剣さは主観性である、純粋な主観性である、普遍的な主観性である、とでもいったとしたら、私は必ずや多くの人を真剣にするでもあろう何事かを言ったことになるであろう。ところで私は真剣さをさらにまた別の仕方で規定することもできるのである。内面性が欠如するや否や、精神は有限化せられる。それ故に内面性は永遠性なのである、換言すれば、人間における永遠的なるものの規定なのである。(p271)