スピノザ.B.D『スピノザ往復書簡集』(4)

同。

さらに我々は、表象力が単に精神の状態のみによっても生ずることを知っています。というのは、我々の経験によれば表象力はすべてのことに関して知性の跡を追い、知性がその証明を連絡し結合すると同様の秩序でその表象像や言葉を連絡し結合するものであって、知性が認識するほとんどすべてのことについて表象力は直ちに何らかの表象像を形成する有様です。以上にもとづき私はこう考えます。身体的原因から生ずる表象力のすべての現れは決して未来の前兆となり得ます。精神は未来に起る何らかの事柄を漠然とながら予感し得るからです。だから人はそうした物を恰もそれが実際に現存しているかのようにはっきり生き生きと表象することができるのです。(p88)