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 エスポジト.R『近代政治の脱構築―共同体・免疫・生政治』(2)

カントがメランコリーの気質についてしばし立ち止まるのは、わけても美と崇高についての論考においてである。そこにメランコリーは、とりわけカントが崇高として解釈しているものに、言い換えれば、観念に適合させるという構想力の役割にはそぐわない感覚から生じる感情に結びつけられる。無制限を希求することで、有限性の超えがたさを経験させる、そういった衝動と結びついているのだ。崇高と同様に、メランコリーは、限界の、すなわち、限界を越えようとする傾向とその不可能性とのトラウマ的経験なのである。(p73)