読了本

 

平田篤胤: 交響する死者・生者・神々 (平凡社新書)

平田篤胤: 交響する死者・生者・神々 (平凡社新書)

 

 史料引用も現代文にしていますから、読みやすいと思います。僕が気になったのは、屋代弘賢と城戸千楯です。篤胤は弘賢の蔵書を借りまくったわけですが、その厖大な「借し」を篤胤は返してない気がします。城戸千楯ですが、千楯は生粋の京都知識人のサロン文化を出自に持っている、いわゆる「歌学び」をまず第一に重んじる方。だから、どこの馬の骨か分からない人がいきなり、「宣長先生に夢の中で門人になったから、門人にしてくれ」と、京・上方に篤胤が来た時は、だいぶ神経質になって、ピリピリしていたと思います。そんな風に、篤胤を斜め読みするのも楽しいです。