ありがとうモモ

帰り道に通りすがるところに一匹のボロボロの老犬がいました。

名前はモモ(♂)。

会った時にはモモは既に皮膚病も患っており、毛並みもすぐれず、寂しい目をしていました。飼い主にあまり愛されてなかったのでしょう。

いつの間にかその子と仲良くなり、僕の足音はすぐに察知して甘えてくれました。

最近はもう立つ気力もなく、鳴く体力もなさそうでした。

モモとの出会いは二年前。一番僕が苦しい時に出会ったので、ほっとくことはできず、通りがかるたびに、モモの様子をうかがっていました。

見かけることがなくなり、その時に気付いたのです。

「モモは天国に召されたのだ」と。

寂しい時に支えてくれたのは、誰でもなくモモでした。

もう、会えない寂しさや悲しさはあるけれども、モモはちゃんと生きた立派な雑種犬でした。

さようなら、そしてありがとう。