中井久夫『治療文化論』(2)

文化精神医学の論文は、医学論文ひろくは科学論文としての作法したがって執筆される。……研究者の最初の五年のトレーニングの中にこの作法を身につけ、このタガをみずからにはめるためにカリキュラムがあり、相当の時間と精力をついやして遂行される。これが身についてはじめて研究者という自己規定が自他に承認されるからである。(p17-p18)