浅野俊哉『スピノザ―共同性のポリティクス』(1)

スピノザ共同性のポリティクス

スピノザ共同性のポリティクス

スピノザにおける共同性とは、過去や未来に投影された理想郷でもなければ、現在の関係性に安住することでもない。それは「どこかにあるもの」ではなく、むしろ、「今・ここ」にある〈喜び〉をもっと十全に、前面的に、かつ集団的に味わうために、自らの思考とと身体を構成する力の諸関係を絶えず組み替え、解体し、構築し直す過程の中で実現されていく、「出来事」としての共同性なのである。(p28)