マラブー.C『わたしたちの脳をどうするか』(7)

わたしたちの脳は可塑性(プラスティック)である、だがわたしたちはそのことを知らない。この力学、この組織体、この構造について、わたしたちはまったく無知なのだ。わたしたちはいまだに「すっかり遺伝的に決定されている脳の〈硬直性〉」を信じ続けており、そのため、それをどうするかと問うことはまさしく見かけのうえでは無駄なのである。「脳」という言葉自体がわたしたちを怖がらせる。というのも、わたしたちは脳のあらゆる現象・襞・領野・層・機能局在について何も理解していないからだ。……つまり、運動や躍動が単なる反射に還元されるように思われるこの仮借ない有機的必然性の領域のなかで、生や自由の唯一の徴であるように見える意識から、あらゆるサイバネティックスの冷たさを切り離すことがわたしたちにとって今なお重要であるのだが、そうしたサイバネティックスの冷たさについて、わたしたちは何も分かっていないのだ。(p9-p10)