2011-02-12から1日間の記事一覧

 バトラー.J『ジェンダー・トラブル』(5)

いわばつねにジェンダー化されていない人間など、これまで存在していただろうか。ジェンダーのしるしは、身体を人間の身体として「資格づける」もののようである。赤ん坊が人間化される瞬間は、「これ(it)は男の子か女の子か」という問いに答えられるとき…

 バトラー.J『ジェンダー・トラブル』(4)

第3章「攪乱的な身体行為」より。 『性の歴史』でフーコーは、解放主義や自由主義のモデルとしてセクシュアリティを捉える見方に対して、はっきりと反対の立場をとっている。そういったモデルは、カテゴリーとして――つまり権力関係を曖昧化する「結果」とし…

 バトラー.J『ジェンダー・トラブル』(3)

わたしが示唆したいのは、フェミニズムの主体の前提をなす普遍性や統一性は、主体が言説をつうじて機能するときの表象上の言説の制約によって、結果的には空洞化されてしまうということである。実際フェミニズムに安定した主体があると早まって主張し、それ…

 バトラー.J『ジェンダー・トラブル』(2)

しかしながら、主体概念を支える基盤主義の虚構のほかにも、女たちという語が共通のアイデンティティを意味すると仮定したときにフェミニズムが遭遇する政治問題が、もうひとつある。女たちという語は、それが記述し代表しているつもりの人々の合意を得るこ…

 バトラー.J『ジェンダー・トラブル』(1)

ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱作者: ジュディスバトラー,Judith Butler,竹村和子出版社/メーカー: 青土社発売日: 1999/03メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 74回この商品を含むブログ (65件) を見るGender Trouble: Feminis…