2011-01-07から1日間の記事一覧

 樋口浩造『「江戸」の批判的系譜学』

「江戸」の批判的系譜学―ナショナリズムの思想史作者: 樋口浩造出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 2009/04メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る 三教とは、儒家の伝統的な捉え方では儒・仏・道を指すと考えるのが常識であろ…

 遠藤潤『平田国学と近世社会』

平田国学と近世社会作者: 遠藤潤出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 第三章「国学における「神典」解釈と死後の世界」より。 本居宣長は『古事記』という特定のテキストを選んで、…

 吉田真樹『平田篤胤―霊魂のゆくえ』

平田篤胤――霊魂のゆくえ (再発見 日本の哲学)作者: 吉田真樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/01/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (8件) を見る 篤胤説によれば、仏教は妄説として退けられるべきものであり、〈人はどの…

 宮城公子『幕末期の思想と習俗』

幕末期の思想と習俗作者: 宮城公子出版社/メーカー: ぺりかん社発売日: 2004/12メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見る 是香によれば、人の死後、霊魂は産須那社へ行きその「使令」つまり審判をうけるが、その際に生前に「仁慈忠…

 テツオ・ナジタ『Doing思想史』(3)

徂徠のテクストで何度もくり返される主題は、人の徳は、親でもなければ政治家でもなく、君子でもなければ先王でもない、天からあたえられたものだということです。権力者たちは天を知ることもできず、したがって人の徳に手を加えることはできないと徂徠はい…

 テツオ・ナジタ『Doing思想史』(2)

確かに、安藤昌益の文章は、いくら日本語に堪能でも、なかなか読めるものではない。それは漢文としては独特の漢文であり、概念も全く独自の把握によるものだった。(奈良本辰也「ノーマンと安藤昌益」) けれども、昌益の言葉の用い方は彼の批判哲学の中心部を…

 テツオ・ナジタ『Doing思想史』(1)

Doing思想史作者: テツオ・ナジタ,平野克弥,三橋修,笠井昭文,沢田博出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2008/06/21メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 昌益の自然協同体、あるいは「自然の世」は、よくユートピア的だといわ…