マヂカルラブリーの件
上沼恵美子さんは悪くないです。
上沼さんは、海原千里・万里時代から、トップを走り続けてきた方。
上沼さんは、第一回上方お笑い大賞(1972年。昭和47年)に、銀賞を受賞されているのです。その年の金賞受賞者は、三代目桂米朝師匠(人間国宝)。
海原門下は上方きっての名門です。池乃めだかさんは、「海原かける・めぐる」の海原めぐるとして活動をしていました。
そのめだかさんの相方のお父さんのお子さんが、「海原やすよ・ともこ」で、海原かけるさんがお父さん。
上方芸能は、上沼恵美子さんが海原小浜門下生として入門した時、落語も漫才も風前の灯だったのです。ドン底の底のそのまた底の時代だったのです。
上方の漫才や落語が息を吹き返したのは、テレビの力と、各テレビ局の賞レースの設立。なんとかせなあかんと心ある人は思ったわけです。
あと、上方は芸道に関しては、非常に見る目が厳しい土地柄。
関西人はお笑いに厳しい。芸事に厳しい。芸の道に厳しい。だって京都に近いだもん。
その厳しさに耐えられなかったら、漫才師辞めた方がええわ、という日常会話が出てくるくらい、厳しい。
普通やで。あれぐらい。
むしろ、マヂカルラブリーのM-1であのネタはあかんわ。他人の人生を左右しているから審査員も非常なプレッシャーの中でやっているのです。
なんで論争になるのかわからないです。上方漫才の歴史を文献で勉強した身としては。