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バシュラール.G『科学的精神の形成』(19)

バシュラール

さて、まず指摘すべきことは、客観性の理論はどれもこれも対象の認識をつねに他者に制御の下におくということである。しかし通常は、単独な精神によって実現される対象構成が完成するのを待って、その最終的な様相においてそれは判断されるのである。したがって単独な精神をその仕事にとりかかわされておき、その素材の均質性も、その見積もりの整合性も別に問わねばならないのだ。しかし逆にわれわれは、事象と同時に事象間の関係や、その見積もりの整合性も別に問わないのだ。しかし逆にわれわれは、事象と同時に事象間の関係や実験と論理の双方にかかわる疑問を、前もって出しておきたい。もしわれわれの主張がわざとらしく、また無益だと思う人がいるなら、そのひとは現代科学が実験素材について、長い間社会化された論理的枠組をもって取り組んでいることを、よく理解していないせいなのだ。だがわれわれの意図は対象認識のそもそもの始まりの条件を決定することなので、単独の状態で精神が厖大な自然を前にしたとき、精神がおのずとみずからの対象を指示しようとする、その瞬間において、精神を研究しなければならないのである。(p406)