ペルニオーラ.M『無機的なもののセックス・アピール』(7)

コンピュータ・グラフィックは、自然には決して存在しなかった。さらには存在する可能性すらないような顔を、連続的な細かいヴァリエーションによってつくり出す。それにより実現される挑発もまた、オリジナルのモデルへのいかなる参照からも解き放たれて極限にまで推し進められた人工物によって刺激される感性に属している。この感性は事実、人間に属するというよりも、哲学とセクシュアリティとの契約によって開かれたポスト・ヒューマン的な地平に属するものである。モノの哲学は、セクシュアリティを有機的なものへの依存から解放する。逆に、中性的セクシュアリティは、血の気のない生気論的精神主義から哲学を解放する。精神分析フェミニズムも、有機的なものへの依存のうちにセクシュアリティを維持してきたのであり、倫理学も美学も、精神主義のうちにセクシュアリティを閉じ込めてきたのである。(p76)