低気圧の影響で偏頭痛に悩まされながら

引き続き読書会の予習。

前近代における「宗教」には、磯前順一先生の整理によると、「宗旨」という非言語的な慣習行為を含む、プラクティスという側面と、「教法」のように概念化された信念体系を含意した、ビリーフという側面の二つの系統があることを指摘しています。

それを踏まえた上で、大谷栄一先生の議論を参照にすると、「近代仏教」の担い手たちは、プラクティスな側面を削ぎ落として、ビリーフ重視の「仏教史」観を構築しようということが補助線としては引けるのではないか、と。

辻善之助の「近世仏教堕落史観」も、そのあたりの事情も絡んでいたのでは、と今のところ考えています。

近代日本の宗教言説とその系譜―宗教・国家・神道

近代日本の宗教言説とその系譜―宗教・国家・神道