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 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(1)

中井久夫コレクション3 「思春期を考える」ことについて (ちくま学芸文庫)

中井久夫コレクション3 「思春期を考える」ことについて (ちくま学芸文庫)

「思春期における精神病および類似状態」より。

不登校が最初に報告されたのはアメリカで、その次は日本です。ヨーロッパにも最近ちらほら出てきたと聞いています。不登校と一番はっきりした並行関係にある状況は、いわゆる大衆大学の設立――学歴の大衆化です。……日本では敗戦、アメリカでは高度成長が崩壊して大恐慌があった後に大学の数が急にふえています。ヨーロッパでは永年大学をつくらなかったのが、この頃ぼつぼつニュー・ユニバーシティーズをつくりはじめていますが、ここ数年ヨーロッパが不況にあえいでいることと関係があるかもしれません。大衆大学は、酷薄な言い方をすれば失業者プールでもあるわけです。(p23-p24)