ヤング.J『排除型社会』(1)

排除型社会―後期近代における犯罪・雇用・差異

排除型社会―後期近代における犯罪・雇用・差異

  • 作者: ジョックヤング,Jock Young,青木秀男,伊藤泰郎,岸政彦,村澤真保呂
  • 出版社/メーカー: 洛北出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本
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The Exclusive Society: Social Exclusion, Crime and Difference in Late Modernity

The Exclusive Society: Social Exclusion, Crime and Difference in Late Modernity

第1章「包摂型社会から排除社会へ」

近代から後期近代への移行は、包摂型社会から排除型社会への移行としてある。すなわち、同化と結合を基調とする社会から、分離と排除を基調とする社会への移行である。近代主義の時代、それはホブズボームが「黄金期」と呼んだ時代であるが、その包摂型の世界は二つの過程によって侵食されていった。すなわち、コミュニティが解体される過程(個人主義の台頭)と、既存の労働秩序が崩壊する過程(労働市場の変容)である。いずれの過程も、市場の力から必然的に生じたものであり、また人々がそれらの過程を変えようとしたために生じたものである。(p30)