大宮勘一郎『ベンヤミンの通行路』(4)

ベンヤミンが旅行者である、ということは、伝記的事実として彼が繋ぐ旅行に出た、というわけだけではない、書くことの一大条件をなしていた、ということである。そして旅行は、その記述自体の律動を生み出すものとしてテクストの中に入り込んでいる。(p6)