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 北岡誠司『バフチン』(2)

「どんなひとつの身振りのうちにも、自信と自信のなさ」を同時に感知しようとする。つまりドフトエフスキーは「あらゆる現象のうちにその根深い両義性」を感じとろうとする、という。しかもこの“両義性感覚”も、空間優位・時間的劣位の志向と関連づける。ドフトエフスキーは「こうした矛盾・分裂をすべて、時間の道・生成する過程にそって発展させよう」とはせず、「隣接し対立するものとして同じ平面で展開させる。同意はしても融合はしないものとして。あるいは、果てしなく矛盾しあうものとして」。(p120-p121)