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バウマン.Z『アイデンティティ』(2)

アイデンティティは、一つの作業として、いまだ完遂されていない未完の作業として、声高な呼びかけ、義務や行動に駆り立てるものとして、はじめて、生活世界に組み入れられたのです。そして、発生期の近代国家は、その領土主権の範囲内のすべての人々に対して、そうした義務を課しました。フィクションとして生まれたアイデンティティが、現実の中に(もっと正確には、思考可能な唯一の現実の中に)根付き、定着するためには、多くの強制的で説得力のあるものを必要としました。その結果、近代国家の誕生と成熟をめぐる物語が氾濫することになったのです。(p48)