『ポストフォーディズムの資本主義』(4)

しかし現在の資本主義社会では、教育には終りがありません。それは通奏低音のように、生産活動のあらゆる段階に伴っています。むしろ、生産活動を補完しているのであり、労働はある程度まで再=教育だと言えるでしょう。社会学のアンケート調査からも知られるように、まさに〈生涯教育〉なのです。束の間の挿話的状況ではなく、恒常的な状態です。生涯教育が行われる原因は、たしかに職業と職務のフレキシビリティですが、おそらくそれ以上に、生産サイクルにおいて知識と情報の果たす役割が増大したことにあります。今日、投資全体のなかで「養成部門」への投資が大きく増えつづけている、と言うのは陳腐ですらあるでしょう。ですがわたしたちのセミナーにとって重要なのは、この歴史的=社会的なコンテクストにおいて、生物学的な事実つまりネオテニーが奪回されたことなのです。(p85)