ヴィルノ.P『ポストフォーディズムの資本主義』(1)
ポストフォーディズムの資本主義―社会科学と「ヒューマン・ネイチャー」
- 作者: パオロヴィルノ,Paolo Virno,柱本元彦
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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生物学とポストフォーディズム」という言い方もまた、このセミナーの核心をついているかもしれません。ポストフォーディズムという言葉でもって私が提示したいのは、言語から愛憎まで、学習能力から美的感性まで、人間的能力のすべてが、労働へと総動員されるような特定の歴史的局面において、「人間的自然」が社会生活の直接的的内容となることです。だからといって、生物学的要因がそのまま歴史的社会的な全体像を規定すると思ってはいけません。そうではなく、わたしたちが考察しなくてはならないのは、生物学的前提の完全な表面化を促進するばかりか要求もするような、歴史的社会的ー歴史的社会的条件ーーすなわちポストフォーディズムの資本主義ーの総体なのです。(pp10-pp11)