スピノザ.B.D『知性改善論』(5)

もし神又は全知なるものが何かあるとするなら、そのものは絶対に何ごとも虚構し得ないということになる。実際我々に関するところで言えば、私は、自分が存在することを識る上は、自分の存在又は不存在を虚構することが出来ない。同様にまた私は、針の穴をくぐる象を虚構することが出来ない。また神の本性を識る以上は、神の存在または不存在を虚構することが出来ない。(p43)