『李箱作品集成』(2)

〈非同時的な同時代性〉。まぎれもない開きをもった、それでいて同時代性をも有する、朝鮮近代文学に想像しなくてはならないのは、三十年という開きとともに同時代性をもっていたということは、いいかえれば、朝鮮文学の近代化過程は、明治・大正・昭和を経てなされた日本文学の近代化過程よりもさらに圧縮されたものであったし、混沌としていたということである。(p353)