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 バシュラール.G『火の精神分析』

火の精神分析

火の精神分析

夢想のこの「物理学」、或いはこの「化学」を極度に一般化して発展させれば、やすやすと詩的資質の四価説に到達するだろう。事実、夢想の四価は炭素の化学的四価と同じように明確であり、生産的である。夢想は四つの拠点をもっており、そこからそれは無限の空間に飛翔するのである。ひとりの真の詩人、ひとりの真摯な詩人、自己の本源的な言語に忠実であり、いっさいの感覚を駆使することを願う感覚的折衷主義の不調和な反響には耳をかさない詩人、その詩人の秘密を押し開くためには、ひとつの言葉があれば十分であろう。「お前のまぼろしが何であるかわたしにいっておくれ、それは地の精なのか、火の精なのか、水の精なのか、それとも空気の精なのか。」ところで、気がつかれているかどうかわからぬが、これらすべての空想的な存在は特異な物質から形成されており、そこから糧を得ているのである。(p159-p160)