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 ショーペンハウアー.A『知性について』

知性について 他四篇 (岩波文庫)

知性について 他四篇 (岩波文庫)

「哲学とその方法について」より。

哲学上の著作者は案内人であり、その読者は旅行者である。ともどもに目的地に着くつもりならば、まず何をおいても、相携えて出発しなければならない。すなわち著者は、双方が確実に共有している立場の上で読者を迎えなければならない。しかるにこの立場とは、われわれ万人に共同の経験的意識の立場以外のものではありえない。だから著者はここで読者の手をしっかりと握って、さてこれから彼とともに山の小径を、一歩一歩、雲また雲をこえて、どこまで高く登ってゆくことができるかを見るがよい。かつてカントもまた、こういう行き方をしたのである。(p15)