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 ハラウェイ.D『猿と女とサイボーグ』(1)

ハラウェイ

猿と女とサイボーグ―自然の再発明

猿と女とサイボーグ―自然の再発明

Simians, Cyborgs, and Women: The Reinvention of Nature

Simians, Cyborgs, and Women: The Reinvention of Nature

女性たちは、自然科学の知が、女性の解放ではなく、女性の支配に関わる利害にもとづいて使用されてきたことを知り抜いていた。実際女性たちが科学から総体として排除されてきたことは、女性たちに対する搾取を一層先鋭化させた。我々は、排除と搾取の双方が、ともに、社会分業において女性が占める位置の産物なのであって、女性本来の無能力によるものではないことをすでに学びとってきている。しかし、たとえ科学における支配原理を過小評価することもなく、科学者たちが求める価値中立的な真実などというもの――市場としての医療現場で目にすることが特段に多い(Gordon,1976,Reed,1978)――にかくまで惑わされることがなかったとしても、我々と科学、技術との距離ゆえに、我々は、自然をめぐる知の持つ位置と機能をみすみす誤解してきまったといえる。(p26)