言語

ルイ=ジャン・カルヴェ『社会言語学』(1)

社会言語学 (文庫クセジュ) 作者: ルイ=ジャンカルヴェ,Louis‐Jean Calvet,萩尾生 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2001/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る フェルディナン・ド・ソシュールは、言(パロール)の諸行為をもとに、言語…

ルイ=ジャン・カルヴェ『社会言語学』(2)

ところで、諸々の言語は、それを話す人びとなくして存在しない。一つの言語の歴史とは、その話し手の歴史である。しかるに言語学における構造主義は、言語に内在する社会的なものを頑として考慮に入れないことによって構築されてきた。そして、この方針から…

ルイ=ジャン・カルヴェ『社会言語学』(3)

アントワーヌ・メイエは、フェルディナン・ド・ソシュール(1857~1913年)の門弟として、しばしば紹介されてきた。実際には、『一般言語学講義』が(死後)出版されてからというもの、メイエはソシュールと距離を置いてきた。……というのは、メイエの全著作…

ルイ=ジャン・カルヴェ『社会言語学』(4)

言語を「コミュニケーションの道具」にまとめあげるような言語の定義に対してなされうる非難の一つは、そうした定義が、言語とその話し手との間の中立的な関係を盲信させかねない、というものである。事実、道具とは、必要なときに手に取り、その後、元にし…

ルイ=ジャン・カルヴェ『社会言語学』(5)

社会的事実としての言語という考え方を徹底的に突きつめていく唯一の方法は、したがって、社会が言語に及ぼす影響あるいは言語が社会に及ぼす影響がいかなるものか、を自問することではない。そういった問いの建て方は、社会言語学的な問題を、異質で、継起…