歴史と記憶

テッサ・モーリス・スズキ『過去は死なない』(4)

『ゴーマニズム宣言』シリーズの特徴は、アイロニーの緩やかな死である。初期の作品では、当時の社会問題についての小林よしのりの意見表明は皮肉たっぷりだった。しかし、『戦争論』、『台湾論』、『戦争論2』と進むにつれて、皮肉な調子はしだいに融けて…

テッサ・モーリス・スズキ『過去は死なない』(2)

ここでわたしは、"解釈としての歴史"のほうが"一体化としての歴史”より好ましい(あるいはその逆)といったことを主張しているのではない。……むしろ、過去についての理解はたんなる知的システムではない、と認識するところから出発したい。過去との遭遇は、…

テッサ・モーリス・スズキ『過去は死なない』(1)

過去は死なない――メディア・記憶・歴史 (岩波現代文庫) 作者: テッサ・モーリス‐スズキ,田代泰子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/06/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る わたしたちが思いえがく歴史は、たくさんの源泉からの寄せ…