2011-09-19から1日間の記事一覧

 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(4)

同。 統合失調症を経験した人たちから教わったのは、本当に恐ろしいのは、上は天まで、下は大地の底までが裂ける体験である。幻覚や妄想はそれに比べれば「何ほどのことでもない」とある人はいった。この恐怖体験こそ統合失調症の核心ではないか。(p347)

 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(3)

「少し長いあとがき」より。 私の拠って立つ灯台は、それまで九年間続けた、主に統合失調症の臨床であったことは以後も変わらない。私の基本的な疑問は、統合失調症がそれほどにも人を悩ますのは疑いないけれども、では、どうして普通の身体に備わっている守…

 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(2)

「数学嫌いだった天才数学者」より。 まず、ウィーナーは二十世紀の数学者の中ではもっとも数学者らしくない数学者の一人である。電算機と縁の深いもう一人の数学者「ゲームの理論」の創始者のノイマンが計算の神様だったのと対照的にウィーナーはよく計算を…

 中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(1)

中井久夫コレクション3 「思春期を考える」ことについて (ちくま学芸文庫)作者: 中井久夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/09/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (8件) を見る「思春期における精神病および類似状態」よ…