2011-01-29から1日間の記事一覧

 『新しい貧困』(4)

やがて、市場競争に翻弄される気まぐれな雇用条件が、市民の将来の不確実性と、彼らを苦しめる社会的立場や自尊心の不安定さの主要な源泉となり、現在もその状態が続いている。社会国家が、雇用を安定させ、将来をより確実なものとすることで、その成員の保…

 『新しい貧困』(3)

近代的な生活のあり方は、持続的で止むことのない世界の更新から成り立っている。ものごとを異なったものに、おそらく、それまで以上に、そして現在よりもよくしようとする衝動、そうしたものを促す衝動にそれ以上の力を加える実践を伴う衝動が、通常、「近…

 『新しい貧困』(2)

一般に、厚生、そしてとくに福祉国家という発想は、労働倫理とは曖昧な関係にある。事実、福祉という発想は、次のような二つの和解しがたく対立する形で労働倫理の中核的発想と関連があり、それは長年にわたって議論の的となっており、現在のところ、すべて…

 バウマン.Z『新しい貧困』(1)

新しい貧困 労働消費主義ニュープア作者: ジグムント・バウマン,伊藤茂出版社/メーカー: 青土社発売日: 2008/07/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (13件) を見る 私たちはみな「消費者」であることが何を意味するかを、多か…